大変遅くなりましたが、
3月末にyosiさん、4月頭にマシンギョさん により公開された
OpenXOPS採用プロジェクトを紹介したいと思います。

色々私情があって、ざっくり2ヶ月遅れてのブログ投稿です。
投稿を楽しみにされていた方々、申し訳ございませんでした。


OpenXOPS_yosi-mikan_Concept Vol.04
　PV：https://www.youtube.com/watch?v=GgRPiKx-InY
　DL：https://ux.getuploader.com/dorayosi2526/download/73

OpenXOPS mg-mikan Concept Vol.1 Rel.1
　HP：http://machinegyo.web.fc2.com/
　DL：http://machinegyo.web.fc2.com/xops/xops_download.html

改めて見ると名前が似ていますが、偶然です（汗


yosiさんの作品については、去年 2019年に公開されたVol.03の
アップデート版で、
マシンギョさんの作品については、今回初公開になります。

毎回恒例ですが、
OpenXOPSベースのゲーム本体exeと、XopsAddonCreatorベースの専用
エディタ（非公開）を提供した私より、技術解説をしたいと思います。
なお、両者とも採用Verは0.27で、基本的にはベースは同一であり、
機能や仕様に殆ど差異はありません。

　※解説上、一部作品のネタバレを含んでいます。ご了承ください。

0.23⇒0.27への主なアップデート内容
　・ブロックと小物の移動イベント追加
　・追加武器機能を追加
　・プレイヤーHP設定イベント追加
　・AIパスとして「歩きジャンプ」「走りジャンプ」追加
　・その他、機能改善やバグ修正ほか

『え？　それだけ？』と思った、そこのアナタ！！
「ブロックと小物の移動イベント」と「追加武器機能」の追加は、
超大型アップデートですよ？
本当に、実作業の手間も 成果物としても、二重の意味でマジで（；；


１、ブロックと小物の移動イベント追加

今回、最も大きい目玉アップデートです。
既に他所で簡単なデモ動画を出しましたが、ブロックや小物がAIの
ような専用の移動パスに沿って動きます。
移動パスに合わせて回転も可能です。

ブロックにおいては、単に対象のブロックが移動するだけでなく、
全オブジェクト（物体）の位置を再計算することで、ブロックの上に
ある人/武器/小物も一緒に動くようになっています。

シャッターやドア、簡易的な乗り物など、使い方次第で色々応用が
できる機能です。

yosiさんの作品では、TOWER_KTでプレイヤーが乗れるリフトが、
それ以外のミッションでも、簡易的な乗り物が登場します。

「ブロックと小物が動きます」とか言うのは簡単ですが、全ての
オブジェクトの位置関係を取得し再計算するのはメチャクチャ大変
でした。
ただ、今までXOPSには存在しなかった画期的な機能ではっと思います。


２、追加武器機能を追加

追加小物のように、任意の武器を追加できる機能です。
ミッションごとに、モデル・テクスチャ・攻撃力や装弾数などの各種
パラメーターを設定した武器を使用できます。
プレイヤーのみでなく、AIも追加武器を扱えます。

今までXOPSでは武器を追加する機能はなく、既存の武器を置き換える
ことでのみ提供することができました。
本機能により、追加小物のように武器も柔軟に追加できます。

マシンギョさんの作品を例に挙げると、同氏の作品では
Saiga-12, RPK, AK74 の3種類が追加されています。
また、yosiさんの作品でも、一部で同機能を使用したミッションが
あります。

この機能もこの機能で、実装はかなり大変でした。
OpenXOPSにおいて、小物は追加する想定で作られていましたが、
（当たり前ながら）武器は追加する想定の設計になっていません。
任意のモデル・テクスチャや攻撃力などのパラメーターをゲーム内に
反映するように、ソースコード内のそこらじゅうを修正して作り直す
必要がありました。
正直言ってもうやりたくないですし、実装はメチャクチャ大変なので
お勧めしません（＾＾；

ただ、今回追加武器機能を付けたことで、結果として 人/武器/小物
が自在に追加可能になり、柔軟な演出が行えるようになりました。


３、プレイヤーHP設定イベント追加

読んで字のごとくですね。
プレイヤーのHPを増やしたり減らしたりできます。

特定の場所や条件またはミッションの進行によって、プレイヤーのHPを
増減できるので、例えばじわじわとダメージを負うエリアを作るとか、
逆に回復エリアを作るとか、味方が回復薬をくれるみたいな演出も可能
です。

yosiさんの作品では、GARRISON_KT2でセンサー地雷が表現されており、
うかつに近づくと爆発してダメージを受ける演出があります。

今までXOPSにはありそうでなかった機能（イベント）ですが、
作る立場からすると、上記の2つに比べれば遥かに実装しやすく難易度の
低い機能です。


４、AIパスとして「歩きジャンプ」「走りジャンプ」追加

これも、今までXOPSにありそうでなかった機能ですが、AIが任意の場所
でジャンプします。
XOPSのAIは、前進中に前がつかえて引っかかると（段差を乗り越える
べく）その場でジャンプしますが、
本パスを用いると、指定の場所でAIがジャンプします。

崖を飛び移ったり、段差をスムーズに乗り越える演出が可能かも
しれません。

・・・実はこの機能、yosiさんとマシンギョさんの作品では使われて
いません。
（本プロジェクト関係者と）このブログを読んで頂いた方だけが知る、
隠し機能ということで（笑
　※隠し機能というのは冗談です。別に隠しているわけではないので。


５、その他、機能改善やバグ修正ほか

ここに書くこともないような、その他の機能改善やバグ修正もしました。
毎度言っている通り、開発担当から言わせれば、これも結構大変なの
ですが（＾＾；


0.23⇒0.27への主要なアップデート内容は以上です。

なお、yosiさんとマシンギョさんの作品の中に、シャドウベイクを
用いた演出がありますが、同演出についてはOpenXOPSおよび私が担当
したものではありません。

何回かに分けて、OpenXOPS採用プロジェクトの技術解説を行ってきました
が、そろそろ情報をひとまとめにした方が良いかもしれませんね。
もちろん、既に関係者用の内部資料はまとまっている（つもり）ですが、
発表/説明用の資料・情報として。


そんなこんなですが、私が担当しているのはゲーム本体のexeと専用
エディタ（XopsAddonCreatorベース）であり、いわば裏方みたいな
立場です。
これら多数の機能を組み合わせて実作品に仕上げているのは、
yosiさんやマシンギョさん（および近条さん）であり、OpenXOPSを
有効活用して頂いているという意味でも、頭が上がりません・・。
　・・・本当にありがとうございます。
これら作品も非常に作り込まれていて面白いaddonになっているので、
皆さんも遊んでみてください。

また、まだあまり細かい情報は出せないものの、既に0.28以降の次期
アップデートの開発も進んでいます。
次回作にもご期待ください。


　※各作品の問い合わせについては、各作者へ直接お願い致します。