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XOPS関連サイト「みかん箱」の運営や、OpenXOPSの開発などを行う[-_-;](みかん)のブログ。近状報告や独り言などを書きます。
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ついに年末です。 ここにちょくちょく書いている電子工作として、まれに「PSoC(ピーソック)」というICを使っていますが そもそも「PSoCとは?」というのを説明していなかったので、簡単に説明したいと思います。 その前に、「マイコン」というものを説明します。 マイコンとはマイクロコントローラの略で、ICチップのような小さいコンピュータです。 電化製品・携帯電話・自動車などコンピュータが使われている製品に入っています。 そのマイコンにも、色々なメーカーが色々な物を作っています。単にメーカーや名前が違うだけでなく、 開発コンセプトや「~用」「~向け」といったターゲット市場が違ったりします。 (色々な製薬メーカーが色々な薬を作っているようなものです) 一般的なマイコンの中身は、大きく分けると2つになります。 「MPU」と呼ばれているCPU・RAM(メインメモリー)・ROM(PCでいうHDD・SSD)という基本的な物を 構成している部分と、「周辺機能」と呼ばれるシリアル通信関係(UART・SPI・I2Cなど)やADC、DAC、 タイマー、カウンタ、っと言った機能・部分です。 後者の周辺機能は、特定の機能と数が特定の接続(バス)で固定されているのが一般的です。 PSoCとは、米・サイプレスセミコンダクタ(CYPRESS)が開発したマイコンです。 MPU部は一般的な他のマイコンと同じです。最大の特徴は「周辺機能」の柔軟性にあります。 PSoCは周辺機能を「ユーザーモジュール」という概念で取り扱っており、ユーザー(開発者)側で 自由に構成できます。アナログ信号やデジタル信号を特別な外付け回路なしに使用できるのです。 (アナログ機能はオペアンプなどが集積されており、フィルタ回路なども搭載できます) また、それらユーザーモジュールと呼ばれている周辺機能を、開発中のコンパイル時に限らず 動作中に機能・回路を切り替えることも可能なようです。 (私はやったことはありません) その他の特徴として柔軟なIOポートが上げられます。 他のマイコンには「~機能を使うならココのポートのみ」っという制約があるものが多いのですが、 PSoCでは一部の例外を除いた全てのIOポートにデジタル機能を割り当てられます。 動作モードもプルアップ・プルダウン・オープンドレイン・ハイ-インピーダンスといった物から 自由に選択できます。 作成する回路に合わせて、ある程度自由にポートを決めて配線を取り回せるわけです。 次にラインアップについてですが、PSoCのファミリ(製品群)は大きく2つに分けられます。 初代の「PSoC(1)」と次世代の「PSoC3・5」です。 どちらも同じPSoCで概念も同じですが、製品も開発環境も大きく異なるので注意が必要です。 PSoC1は10年ほど前から出荷されている8ビット マイコンです。 一昔前に比べてやっと入手性は改善されてきていますが、近年のマイコンと比べMPU部の性能が 劣っています。また開発環境も重たいです。 開発時はMPU(特にCPU)を使わずに、いかにユーザーモジュールに処理を任せられるか っという のが最大のポイントです。 PSoC3・5はここ数年のうちに開発されたマイコンです。開発環境も一新されました。 PSoC3は8ビットですが、PSoC5は32ビットのARMコアが入りました。 MPU部の処理性能も向上している以上に、ユーザーモジュール機能がさらに進化し容易に扱える ように改良されたほか、モジュール自体も自分で作成できるようになりました。 JTAGを使用した実行中のデバック機能も追加されています。 PSoC3・5の欠点は、初代PSoC1よりさらに情報が少なく、かつ入手性が極めて悪いことでしょうか。 PSoCは非常にマイナーなマイコンです。他のマイコンと比べ圧倒的に情報が少ないのが現実で、 1個あたりの価格も比較すれば高くなることもあります。 しかし、ユーザーモジュール機能や柔軟なIOポートなど、埋め込まれた画期的な機能が魅力です。 マイコンの周りに別途実装しなければならなかった回路を、PSoCにまとめて詰め込めることは 他の部品購入や回路設計・制作の手間を大幅に削減できるのは確かです。
※過去のブログ記事は 原則として編集・修正していません。 | ||||
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